若さほとばしる写真とインタビュー部分を抜粋。 |
Q「(ブラック・アルバムを聴いて)僕が聴いたどの曲も、凄くヘヴィで、速い曲もありますが、“Fight Fire With Fire”のように、マシンガンのように速い曲はありませんね?」
「(前略)俺は速い曲をプレイするのは大好きだし、みんなもそうなんだけど、凄く速い曲というのは、サウンドに変化を持たせるのに限界がある。俺達は速い曲を書き続けてきたけど、違うものが書けると感じることができなければ、また書く意味がない。過去にやったもののコピーを何でやらなきゃいけない?ただ速い曲を聴きたいと思っている人がいるという理由だけで?今の俺達には、速いテンポでやれる新しいことはもうないと思うんだ。新しくて同じことの繰り返しにならないようなものは。それが理由だよ。速い曲のアイディアがあっても、じっくり考えてみると、昔やったことなんだ。どんなアイディアも過去にやったことばかりだった。
これは俺達のアルバムなんだ。俺達は、速い曲で何かができるとは感じられなかった。だから速い曲を聴きたいのなら、自分でバンドを作ってレコード契約を取り、速い曲ばかりやってくれよ。(笑)」
ラーズ・ウルリッヒ(メタリカ)
Q「今回の『CLASH OF THE TITANS』がMEGADETH、SLAYERといった、あなた達同様にキャリアの長いバンドと一緒のツアーなわけですが、彼等に対してライヴァル意識のようなものを抱くようなことはあるのですか?」
「それはないね。俺達が見ているのはオーディエンスだけだから。俺達が関心があるのは、目の前のキッズをいかにして沸かせるか、それだけだ。キッズだってSLAYERにはSLAYERの、MEGADETHにはMEGADETHのプレイを望んでるのだから、俺達はあるがまま、ANTHRAXを彼らの前に披露するだけだ。」
Q「5年前だったらそのSLAYERもMEGADETHも、そしてあなた達も、“スラッシュ・、メタル”という言葉で括られていましたが、今、そのようなジャンル分けに関してあなたはどう感じますか?」
「どんな風に分類されても大した問題じゃないと思うけどね・・・。実際、今も昔も、俺達のギグに集まってくる連中のノリのよさは変わってないよ。俺達は別に“スラッシュ・メタル”というもののために音楽を演っているわけではない。たまたま俺達の演っていた音楽を表現した言葉が“スラッシュ・メタル”と言われたわけだろう?その意味では、別々の根っこを持ち、別々に活動を続けるそういったバンドを、今、比較するのはナンセンスだと思う。」
ジョーイ・ベラドナ(アンスラックス)
Q「日本では最近、旧譜がCD化されていたりもするので、古い作品について少しずつコメントを頂きたいのですが、まず『SHOW NO MERCY』については、今ではどんな風に感じていますか?」
「あのアルバムがリリースされた時点では、当時入手可能なレコードの中でも最もヘヴィな作品だったという気がするよ。俺達が『SEASON IN THE ABYSS』でやったことの中には、メロディ的にも楽曲の構成の面でも、あの1stアルバムから引き継いだ要素が実は多かった。今でも、聴くには良いアルバムだと思うよ。チープなサウンド・プロダクションのせいで、少しばかり奇妙な感じに聴こえるかもしれないがね。とにかくアレは、当時のヘヴィなレコードの中でも、とりわけヘヴィだった。METALLICAの『KILL 'EM ALL』を除いてね。(笑)」
トム・アラヤ(スレイヤー)
Q「“インテレクチュアル・スラッシュ”とか“フュージョンの要素を導入したHM”と呼ばれた頃に比べると、MEGADETHの音楽スタイルは、よりベーシックでストレートなHMに近付いている気もするのですが、あなた自身の中には、“MEGADETHの音楽はこうあるべき”といったアイディアがあるのですか?」
「俺は、ただ自分がやりたいようにやってるだけだし、他3人のメンバーについても自分達のやりたいことはわかっている。つまり、俺達自身が気に入ったならば、それは、“正しいことをやってる”ってことになるのさ。
おいリック(と、ツアー・マネージャー氏を呼ぶ)。クスリを取って来てくれないか。ゴメンゴメン、マジに気分が悪いんだ。強力なクスリがあるんで助かっているけど。水に入れると泡が出てきて胃をスッキリさせるヤツなんだ。」
Q「インタビューを続けても大丈夫ですか?」
「ああ、勿論だ。続けてくれ。とにかく俺達は、自分達のやりたいことをやってるんだ。」(ツアー中に牡蠣で食あたりとなり、体調不良のままインタビュー取材)
デイヴ・ムステイン(メガデス)